絵本
「始(はじ)めましょう」 石(いし)の柱(はしら)の中心(ちゅうしん)に立(た)ち、神主(かんぬし)さんが宣言(せんげん)しました「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」 神主(かんぬし)さんに合(あ)わせて、村人(…
翌日(よくじつ)、神社(じんじゃ)の境内(けいだい)では村人(むらびと)たちが祭壇(さいだん)を作(つく)り始(はじ)めていました「引(ひ)っ張(ぱ)れー」 大(おお)きな石(いし)の柱(はしら)に縄(なわ)を縛(しば)りつけ、村人(むらび…
次(つぎ)の朝(あさ)、村(むら)の中心(ちゅうしん)を流(なが)れる川(かわ)には二人(ふたり)の死体(したい)が浮(う)かんでいました 死体(したい)は川(かわ)の水(みず)でふやけ、水(みず)に沈(しず)んでいる状態(じょうたい)でも…
その夜(よる)、神社(じんじゃ)に二(ふた)つの人影(ひとかげ)がありました「祟(たた)りが何(なん)だー」「祟(たた)りが何(なん)だー」 二人(ふたり)は棒切(ぼうき)れを使(つか)って祭壇(さいだん)を破壊(はかい)しています 村(む…
神社(じんじゃ)に村(むら)の若(わか)い男(おとこ)たちが祭壇(さいだん)を作(つく)り、それに首(くび)を載(の)せました 首(くび)の周辺(しゅうへん)にお供(そな)え物(もの)を置(お)き、村人(むらびと)たちがそれを囲(かこ)んで…
翌日(よくじつ)、村(むら)の広場(ひろば)に人々(ひとびと)が集(あつ)まっていました その中心(ちゅうしん)には、昨日(きのう)置(お)いてきぼりにされた自警団(じけいだん)の、バラバラ(ばらばら)死体(したい)があります 死体(したい…
なんと、生首(なまくび)がぼんやりと光(ひか)って、空中(くうちゅう)でゆらゆらと揺(ゆ)れていました「うわわわー」「ひゃわぁー」「あひいー」 その悪夢(あくむ)の様(よう)な光景(こうけい)に、自警団(じけいだん)たちは半(なか)ば腰(こ…
こうなると、村(むら)を守(まも)っている自警団(じけいだん)もこれを見過(みす)ごせなくなりました「みんなで行(い)けば怖(こわ)くないさ」 噂(うわさ)の真相(しんそう)を確(たし)かめるため、数人(すうにん)で神社(じんじゃ)を訪(お…
「生首(なまくび)が襲(おそ)って来(き)たんだー」 佐吉(さきち)は、自分(じぶん)の怪我(けが)をそう説明(せつめい)しました よく見(み)ると佐吉(さきち)の怪我(けが)は明(あき)らかに捻挫(ねんざ)や打撲(だぼく)なのですが、村人…
その時(とき)、例(れい)の生首(なまくび)が見(み)えました「うわあ」 なんと、霧(きり)の中(なか)に見(み)えた首(くび)は、目(め)が光(ひか)っていたのです「お助(たす)けー」 尻尾(しっぽ)を巻(ま)いて佐吉(さきち)は逃(に)…
その夜(よる)、佐吉(さきち)は一人(ひとり)で神社(じんじゃ)に来(き)ました 暗闇(くらやみ)の中(なか)、鳥居(とりい)が不気味(ぶきみ)に浮(う)かび上(あ)がります「怖(こわ)いよー怖(こわ)いよー」 村人(むらびと)に大見得(お…
「そんなの、嘘(うそ)っぱちだ」 村人(むらびと)の一人(ひとり)が言(い)いました 彼(かれ)は佐吉(さきち)という男(おとこ)ですが、自分(じぶん)では村(むら)で一番(いちばん)勇敢(ゆうかん)だと思(おも)っています しかし、村人(む…
地主(じぬし)さんが死(し)んでから少(すこ)し経(た)った頃(ころ)、ある噂(うわさ)が村(むら)に蔓延(まんえん)していました「神社(じんじゃ)に置(お)いた地主(じぬし)の生首(なまくび)の目(め)が、夜(よる)に光(ひか)るんだ」 …
そして、村人(むらびと)たちは地主(じぬし)さんを七(なな)つに切(き)り裂(さ)いてしまいました 生首(なまくび)は神社(じんじゃ)に置(お)いて晒(さら)し者(もの)です 内臓(ないぞう)は畑(はたけ)に埋(う)めて肥料(ひりょう)です …
「死(し)ねー」 村人(むらびと)の鎌(かま)が地主(じぬし)さんの喉笛(のどぶえ)に刺(さ)さりました「ぐげふぅ」 声(こえ)と言(い)うより、それは音(おと)でした「やっちまえー」「息(いき)の根(ね)を止(と)めるんだー」 次々(つぎつ…
「火(ひ)を放(はな)てー」「おおー」「おおー」 村人(むらびと)たちが持(も)っていた松明(たいまつ)を一斉(いっせい)に投(な)げ付(つ)けます 大半(たいはん)は雪(ゆき)の上(うえ)に落(お)ちて火(ひ)が消(き)えてしまいますが、…
不作(ふさく)で頭(あたま)を悩(なや)ませていた地主(じぬし)さんは、ストレス(すとれす)と空腹(くうふく)で寝付(ねつ)けずにいました 後(あと)で困(こま)った村人(むらびと)にお米(こめ)を分(わ)け与(あた)える事(こと)ができる…
「きっと、あの新(あたら)しい地主(じぬし)が元凶(げんきょう)だ」「そうそう、悪魔(あくま)の手先(てさき)に違(ちが)いない」 村人(むらびと)たちは、手(て)の平(ひら)を返(かえ)したように地主(じぬし)さんの非難(ひなん)を始(は…
「空腹(くうふく)だー」「空腹(くうふく)だー」 冬(ふゆ)になり、村人(むらびと)たちの備蓄(びちく)した米(こめ)は底(そこ)が突(つ)き始(はじ)めていました 少(すこ)しずつ食(た)べてはいますが、これでは冬(ふゆ)を越(こ)せそう…
結局(けっきょく)、あの台風(たいふう)の爪痕(つめあと)は酷(ひど)いものでした「これしか収穫(しゅうかく)できなかったですー」「これしか収穫(しゅうかく)できなかったですー」 その秋(あき)、村人(むらびと)たちが小作料(こさくりょう)…
でもその年(とし)の夏(なつ)、台風(たいふう)が村(むら)を襲(おそ)いました「うわーうわー」「うわーうわー」 村人(むらびと)たちは困(こま)り果(は)てて何(なに)もできません「水路(すいろ)を閉(と)じて、田圃(たんぼ)に水(みず)…
それから、村人(むらびと)たちは地主(じぬし)さんをとても尊敬(そんけい)しました「地主(じぬし)さん、ははー」 村人(むらびと)たちは道(みち)で地主(じぬし)さんに出会(であ)うと、自(みずか)ら平伏(ひれふ)して地主(じぬし)さんを讃…
「そうだ」 村人(むらびと)の一人(ひとり)が閃(ひらめ)きました「新(あた)しい地主(じぬし)さんを呼(よ)ぼう」 村人(むらびと)たちは地主(じぬし)さんの持物(もちもの)から親戚(しんせき)の連絡先(れんらくさき)を見付(みつ)けて、…
ある年(とし)、村(むら)に重大(じゅうだい)な事件(じけん)が起(お)きました 村(むら)の土地(とち)を所有(しょゆう)していた地主(じぬし)さんが蜘蛛膜下出血(くもまくかしゅっけつ)で死(し)んでしまったのです「どうしよー」「どうしよ…
むかしむかしのおはなしです ここは、おせあにあたいりくにあるちいさなのうそんです おこめをせいさんして、ほかのちほうにうってりえきをえています うみにめんしていているのでさかなもとれるし、やさいもじぶんたちのぶんくらいはじきゅうできています …
「もういいよ」 めをあけると、そこにはフィオがいました 「んー、んー」 フィオはしばられてさるぐつわをされています あなたはそんなフィオをみて、かわいいとおもいました そのとき、かみさまのこえがきこえてきました 「このへやでかのじょをきみのとり…
「やぁ」 かれのこうりゅうされているろうごくにかみさまがあらわれました 「わぁ」 かれはおどろきました 「おどろくことはないよ、わたしはかみさまだ」 「なぁんだ、かみさまか」 かれはなっとくしました 「きみはフィオがすきかい」 「すきです」 そくと…
けいむしょにはいったかれをまっていたのはじごくでした 「このへんたいやろう」 ぼか 「しんじまえ、すとーかーやろう」 ぼか かれはまいにちのようにかんしゅになぐられます 「さむいよう、さむいよう」 「おまえみたいなしゅうじんにはこれでじゅうぶんな…
そんなあるひ、かのじょのいえのまえにいたかれはいきなりけいさつにしょっぴかれてしまいました 「なにをするんですか」 「いいからこい」 ぼか かれはけいさつにつくまでになんどもなぐられました、ぼか なんのいんがか、かれはけいむしょにこうちされるこ…
あるひのこと、かれはまちにすんでいるフィオにこいをしました かれはおもいきってかのじょにあたっくしましたが、あんのじょうかのじょはかれとこうさいするつもりはないといいました それはいままでのこいとはちがいました、いままではふられたらそくさつ…