2006-10-01 むらびととじぬしさん 12 絵本 そして、村人(むらびと)たちは地主(じぬし)さんを七(なな)つに切(き)り裂(さ)いてしまいました 生首(なまくび)は神社(じんじゃ)に置(お)いて晒(さら)し者(もの)です 内臓(ないぞう)は畑(はたけ)に埋(う)めて肥料(ひりょう)です 肉(にく)は焼(や)いてみんなで食(た)べました 骨(ほね)は砕(くだ)いて畑(はたけ)の酸性土(さんせいど)を中和(ちゅうわ)するのに石灰(せっかい)の代(か)わりに使(つか)いました 村(むら)から悪魔(あくま)の手先(てさき)である地主(じぬし)さんが消(き)えて、平和(へいわ)が戻(もど)ったかに見(み)えました でも、食料(しょくりょう)不足(ぶそく)は一向(いっこう)に改善(かいぜん)されなかったので、肉(にく)の味(あじ)を覚(おぼ)えた村人(むらびと)たちは共食(ともぐ)いを始(はじ)めました こうして、狂気(きょうき)に包(つつ)まれた一冬(ひとふゆ)で村(むら)は滅(ほろ)びてしまいました おしまい