続・むらびととじぬしさん 2


「そんなの、うそっぱちだ」
 村人むらびと一人ひとりいました
 かれ佐吉さきちというおとこですが、自分じぶんではむら一番いちばん勇敢ゆうかんだとおもっています
 しかし、村人むらびとかれたんなる法螺吹ほらふきの馬鹿者ばかものだとしかおもっていません
おれてやるよ」
 へん恰好かっこうけて、村人むらびとたちに宣言せんげんしました
 じつは、かれおなむらのお朱鷺ときこいをしていて、彼女かのじょ素敵すてきだとおもわれたいのです
 お朱鷺ときむら大人気だいにんきおんなで、佐吉さきちなんかにこころうばわれるはずはいのですが、佐吉さきち自分じぶんほどわきまえていないのです
「いつくんだよ」
ったふりをするだけだろ」
 あまりにも村人むらびとたちが信用しんようしないので、佐吉さきちれました
今夜こんやだ、今夜こんやってやる」