続・むらびととじぬしさん 10


 そのよる神社じんじゃふたつの人影ひとかげがありました
たたりがなんだー」
たたりがなんだー」
 二人ふたり棒切ぼうきれを使つかって祭壇さいだん破壊はかいしています
 むらでも有名ゆうめい乱暴らんぼう夫婦ふうふで、信仰心しんこうしんまったいのです
生首なまくびささものなんて生意気なまいきだー」
 つまそなえてあった果物くだものをむしゃむしゃとべます
おれたちでっちまえー」
 おっともおそなもの鷲掴わしづかみにすると、むしゃむしゃとはじめます
「うまいうまい」
「うまいうまい」
 二人ふたり物凄ものすごいきおいでおそなものべてしまいます
 なつ台風たいふう田圃たんぼいねながしてしまっていたので、飢餓状態きがじょうたいだったのです
「あれ」
 つま生首なまくび指差ゆびさして驚愕きょうがく表情ひょうじょうかべました
「どうした」
 おっと生首なまくびますが、とくわったことはありません
 しかし、つま生首なまくびつめたままからだをがたがたとふるえさせています
「わー」
 つま生首なまくび背中せなかけると、げるようにはしします
「あぁっ」
 しかし、つまあしもつれさせてころんでしまいました
大丈夫だいじょうぶか」
 おっと近付ちかづいても、つまたおれたままです
「あれ」
 そのとき背中せなか気配けはいかんじたおっと生首なまくびかえりました
「ぎゃわぁー」
 なんと、生首なまくびちゅういておそろしいかおをしていたのです
たすけてーたすけてー」
 つまいてしますが、おっとあしもつれさせてころんでしまいました
たすけてーたすけてー」
 どうしてかあしうごきません
 そんなおっとに、生首なまくび近付ちかづいてました
だれかーだれかー」