2006-10-12 続・むらびととじぬしさん 11 絵本 次(つぎ)の朝(あさ)、村(むら)の中心(ちゅうしん)を流(なが)れる川(かわ)には二人(ふたり)の死体(したい)が浮(う)かんでいました 死体(したい)は川(かわ)の水(みず)でふやけ、水(みず)に沈(しず)んでいる状態(じょうたい)でもぶよぶよになっている事(こと)がわかります「祭壇(さいだん)が壊(こわ)されて食(た)べ物(もの)が食(く)い散(ち)らかされていました」 神主(かんぬし)さんが言(い)います「そう言(い)えば、この二人(ふたり)は昔(むかし)から信仰心(しんこうしん)がなかったな」 村人(むらびと)の一人(ひとり)が言(い)います「二人(ふたり)は村(むら)よりも自分(じぶん)たちの事(こと)を考(かんが)える奴(やつ)らだ」「村(むら)が祟(たた)られても、自分(じぶん)たちが満腹(まんぷく)になれば良(い)いと思(おも)っていたんだ」「そうだ、死(し)んで当然(とうぜん)だ」 村人(むらびと)たちの心(こころ)はかなり荒(すさ)んでいる様(よう)です「ところで、祭壇(さいだん)が壊(こわ)されたらどうなるんだ」「俺(おれ)たちにも祟(たた)りが来(く)るのか」 村人(むらびと)たちが神主(かんぬし)さんに詰(つ)め寄(よ)ります「あいつらは地獄(じごく)に行(い)っても良(い)いけど、俺(おれ)たちは死(し)にたくないぞ」「そうだそうだ」「なんとかしてくれよ」 村人(むらびと)の懇願(こんがん)は必死(ひっし)です 少(すこ)し考(かんが)えて、神主(かんぬし)さんは決意(けつい)しました「もう一回(いっかい)、生首(なまくび)の供養(くよう)をしましょう」「でも、それだけで大丈夫(だいじょうぶ)なのか」「前(まえ)よりも立派(りっぱ)な祭壇(さいだん)を作(つく)れば大丈夫(だいじょうぶ)です」 こうして、再(ふたた)び村人(むらびと)たちは生首(なまくび)の供養(くよう)をする事(こと)にしました