2006-09-26 むらびととじぬしさん 7 絵本 「空腹(くうふく)だー」「空腹(くうふく)だー」 冬(ふゆ)になり、村人(むらびと)たちの備蓄(びちく)した米(こめ)は底(そこ)が突(つ)き始(はじ)めていました 少(すこ)しずつ食(た)べてはいますが、これでは冬(ふゆ)を越(こ)せそうにありません 現(げん)に、栄養失調(えいようしっちょう)で倒(たお)れてしまった人(ひと)もいます「空腹(くうふく)だー空腹(くうふく)だー」「空腹(くうふく)だー空腹(くうふく)だー」 村人(むらびと)たちは集会場(しゅうかいじょう)に集(あつ)まり、対策(たいさく)を練(ね)っていました「どうしよー」「どうしよー」 しかし、いくら相談(そうだん)しても食料(しょうくりょう)が増(ふ)えるわけでもありません「台風(たいふう)さえなければ良(よ)かったのにー」 一人(ひとり)が呟(つぶや)くと、みんな溜息(ためいき)をつきました「あの台風(たいふう)さえなければお腹(なか)いっぱいなのに」「今(いま)まで、あんな台風(たいふう)が来(き)た事(こと)なんて無(な)かった」 その時(とき)、誰(だれ)かが呟(つぶや)きました「待(ま)てよ、前(まえ)の地主(じぬし)の時(とき)は、台風(たいふう)なんて来(こ)なかったぞ」