2006-10-28 続・むらびととじぬしさん 26 絵本 過去ログはこっちにまとまってるから、そちらを見ると便利ですよ 覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)が鳥居(とりい)の所(ところ)に差(さ)し掛(か)かったその時(とき)――「今(いま)です!」 僧侶(そうりょ)が叫(さけ)びました「あっ」 覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)が小(ちい)さく叫(さけ)んで宙(ちゅう)を舞(ま)いました 鳥居(とりい)の所(ところ)に張(は)られた縄(なわ)に足(あし)を取(と)られ、倒(たお)れてしまったのです「やったぜー」「いえーい」 茂(しげ)みの陰(かげ)から自警団(じけいだん)たちが現(あらわ)れました 実(じつ)は僧侶(そうりょ)に要請(ようせい)され、ずっと待機(たいき)していたのです 自警団(じけいだん)たちは覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)の周囲(しゅうい)を囲(かこ)んで小躍(こおど)りしています「油断(ゆだん)してはいけません!」 僧侶(そうりょ)が叫(さけ)びますが、自警団(じけいだん)はへらへらとしているだけです その瞬間(しゅんかん)――「ぐぇぇっ!」 自警団(じけいだん)の一人(ひとり)が奇妙(きみょう)な声(こえ)を発(はっ)して倒(たお)れ込(こ)みます「どうし――ぐえぇ」「ぐえぇ」 自警団(じけいだん)たちは次々(つぎつぎ)と声(こえ)を上(あ)げて倒(たお)れて行(い)きます 覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)が投(な)げつけた石(いし)が、油断(ゆだん)していた自警団(じけいだん)の喉笛(のどぶえ)に見事(みごと)に命中(めいちゅう)したのです「はっ」 覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)が跳(は)ね起(お)き、自警団(じけいだん)の包囲(ほうい)を破(やぶ)って走(はし)り出(だ)します がっ! しかし、覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)は足(あし)に衝撃(しょうげき)を受(う)けて倒(たお)れ込(こ)みます なんとか追(お)い付(つ)いた僧侶(そうりょ)が木刀(ぼくとう)で足(あし)を払(はら)ったのです 膝(ひざ)を強(つよ)く打(う)ったので、覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)はもう走(はし)って逃(に)げる事(こと)はできないでしょう「くそぉくそぉ」 自警団(じけいだん)の一人(ひとり)が毒(どく)づきながら近寄(ちかよ)ります「この野郎(やろう)」 自警団(じけいだん)が覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)を蹴飛(けと)ばそうとしますが、僧侶(そうりょ)がそれを木刀(ぼくとう)で防(ふせ)ぎました「暴力(ぼうりょく)はいけません」 そう言(い)われると、自警団(じけいだん)は不機嫌(ふきげん)そうに覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)を睨(にら)みつけていました 自警団(じけいだん)は強(つよ)い者(もの)に弱(よわ)くて、弱(よわ)い者(もの)には強(つよ)いのです「それより、抵抗(ていこう)されると困(こま)るので、両手(りょうて)を縛(しば)って下(くだ)さい」 僧侶(そうりょ)の指示(しじ)により、自警団(じけいだん)たちは覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)を縛(しば)り上(あ)げていきます 覆面(ふくめん)の人物(じんぶつ)は抵抗(ていこう)する様子(ようす)も無(な)く、観念(かんねん)しているようでした「さて、では正体(しょうたい)を見(み)せてもらいましょう」 僧侶(そうりょ)が覆面(ふくめん)に手(て)をかけます