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向かって行く最中、僧侶は巨大なものの手元に光の塊がある事に気が付きました
「まずいな……」
しかし、足が地面を離れている為、後はぶつかる時を待つだけです
光の塊はゆっくりと大きくなっていきます
「間に合えば、或いは――」
木刀が鈍く光を放ちます
ぎぎぎ……
ふと、僧侶は自分の軌道上に不気味なもやもやが固まっている事に気が付きました
「はっ」
木刀で打ち据えると、それは霧散して地面に落ちて行きました
僧侶がその行方を追うと、そのもやもやは下で見ていた村人に吸い込まれ、その村人は突然暴れ始めました
「成る程」
僧侶は木刀を握り直します
「木刀が当たれば、滅ぼせる可能性はある」
しかし、いきなり光の塊は大きくなりました
「ま、まず――」
その瞬間――
ぱちん。
光の塊が弾けました。
「ぎゃぁぁぁっ」
濃硫酸をかけられた様に、僧侶の体が熔け始めます
そして、衝撃が僧侶を襲います
ぶぅん!
音を立てて僧侶の体は砕け散りました
衝撃に吹き飛ばされ、僧侶は空中で粉々になり、肉片となって地面に振り注ぎます
「食わせろぉ食わせろぉ」
その肉片を、もやもやに取り憑かれて支配された村人たちが拾って食べます
全ての村人はもやもやに支配されるか、もやもやに支配された村人に食べられ、村には正気を持った人間はいなくなりました
巨大なものは雲の中に消えて行きますが、畑には焼き付いた様にそれの影が残っています
やがて、村人たちは巨大なものの影の上で共食いを始め、村はその日の内に滅びてしまいました
おしまい