電車男とスクールランブルは似ている

さて、どちらもネット上で話題となっているものですが、その類似性に気づいたのでちょっと語ったり語らなかったりしてみます


1.良い人
電車男の場合、主人公*1はもともと秋葉原系のオタクさんですが、その言動などから善人である事が伺えます
女性に電話するのも一苦労、そして女性と会う為に精一杯努力する様子など、彼が善人で純粋であるのが読みとれます
スクールランブルでは、主人公の播磨は不良ですが、弱い物に暴力をふるわず、動物を心を通わせる様子などから善人である事が読みとれます
この二人のどちらの要素も、ネットワーカーが親近感を覚えるようなものなのではないでしょうか


2.モテない男
電車男は、彼女に出会うまではあからさまなオタク容姿であり、彼女いない歴=年齢という典型的な負け組でした
しかし、努力して己を磨いて小綺麗な容姿になりましたが、やっぱり中身はモテなかった頃の奥手っぷりなどが残っていて、モテない男が頑張っている様子が共感を呼びました
それに対し、スクールランブルでは、主人公の播磨は顔自体はそこそこ美形なのですが、変装の意味もあるサングラスとヒゲのせいで『変な奴』というイメージになっており、なおかつ札付きの不良のため、女生徒からは恋愛感情を感じられるよりもまず恐れられるような存在です
そのため、ヒゲが無くなったりはしたものの、やっぱりモテるタイプとは遠く、そのあたりも読者に親しまれるわけです


いかにもモテそうで、相手さえ選ばなければ誰とでも付き合えそうなジャニーズタレントが出てくる恋愛ドラマより、こういうモテない人間の恋愛の方が、ネットワーカーには好まれるのではないでしょうか


3.ネットワーカーにとって身近である
電車男はもともと2chを閲覧していた人物であり、女性と知り合ってからも、いや、知り合う課程においても2ch内で相談して意見を求めて行動しています
そのため、後から見ている自分にとってもそうですが、特にそこで相談に乗っていた人々にとっては親近感を感じられ、友人のような感覚になっていると思われます
そして、スクールランブルですが、こちらもインターネット上で求められている事が本編に反映されているとしか思えない状態です
無論、作者本人の考えた展開ではあるのですが、インターネット上での人気などを反映しているとしか思えません
スクールランブルカップリングについてはこちら派閥あたりを見るとよくわかると思われます(ただし原作を読んでいる人のみ)


さて、この漫画を改めて説明しますと、本来の主人公は塚本天満で、この作品は本来『天満→烏丸』という恋愛が主軸になっています
それとプラスして、その塚本天満の事を好きな播磨拳児が裏の主人公として登場し、読者は播磨→天満→烏丸という三角関係的なものを楽しめるようになっています


というのが、本来の構成ですが、ネット及び各所で人気のない烏丸大路は『作者も忘れて居るんじゃないか』と思われるほどの登場しなさです
当初は、天満が不思議少年の烏丸に恋愛感情を抱き、おかしな行動をする漫画だったのですが、次第に烏丸はその不思議少年っぷりからオチ担当となりました
しかも、烏丸は『天満よりカレーが良い』という旨の発言をして読者にさらに嫌われ、気づいたら登場すらしなくなり、塚本天満はもはや烏丸の事を考える事すらなくなっています


そして、塚本天満の事を好きな播磨ですが、紆余曲折を経てネットで人気の高い沢近や塚本八雲と微妙な関係になり、一歩間違えば交際しかねない展開を続けていました
そのどちらもネットで播磨とのカップリングが求められる組み合わせであり、作者の中の人がネットの評判に多少なりとも左右されているのではないだろうかと自分は勝手に妄想します、妄想(ゆめ)を裁く法律など無い
ネットで人気の高かったお姉さん(姉ヶ崎先生)の再登場、カップリング人気投票など、インターネットだけではありませんが、ファンの意見を参考にした作品づくりをしているのは確実だと思われます


そんなわけで、スクールランブルは多少なりともネットの評判に左右されているあたり、ネットワーカーにとって嬉しいのではないでしょうか
特に、沢近や八雲とつき合いそうになるあたり――あれ?

*1:この書き方もどうかと思うのですが、別に電車男がフィクションだとか言ってるわけではありません