(更新 4/14 8:20)喉と頭

 頭が痛くて昨日の8時くらいから眠ってしまったのですが、起きてもやっぱりまだ痛いので取り敢えずムパラだけ貼っておきます
 それなりに元気とか勇気とかが湧いたら普通に書くかも知れません
 薬とかはないのでエビオス飲んで未来日記かアカギでも読んで横になります

穴埋め小説「ムービーパラダイス」72

 そんなわけで、俺達は安藤の家までやってきた。あたりは薄暗くなり始め、俺の気分を不安にさせる。
「なんか、ずっと前にここに来たような気がするな……」
 呟く俺に、岡田君は「今日来たナリよ」と苦笑する。
 実際、俺が霊でいた時間は数時間らしい。俺がその時の記憶を持っていないため、最後に覚えている飢巣憚との戦いから病院で起きた時間までを逆算してわかった事だが。
 それにしては、妙に時間が経過している気がするのは、霊でいる間によっぽどの事でもあったのだろうか。あの臨という奇人と体を重ねたというのは、どうしても解せないのだが。
「どうしたナリか?」
 しばらく考え込んでいたため、岡田君は不思議そうに俺を見つめている。
「なんでもない」
 まあ、霊でいた間のことなど気にしても仕方のない事である。今考えなければならないのは、安藤の事だ。俺を撃ったのがもし本当に安藤だったなら、今もこうしている間に安藤に襲撃を受ける可能性がある。
 だから、家の前に突っ立っているのは愚行であり、早く入るべきだろう。俺はチャイムに手を伸ばす。


 ――――


 相変わらず、ここのチャイムは慣れない。外に音が聞こえないチャイムというのは意図が謎である。
 そう言えば、チャイムのボタンが音を鳴らす機械ではなく、他の機器に接続されているという話を聞いた事がある。例えば安藤が地下室にいる時には、地下の安藤が持っている機械に信号が届くとか。
 確かに、そう言う機能があるならば便利な事は確かである。特に安藤は一人暮らしであるので、自分以外に音を聞く必要がないと言うことがあるので便利である。家族がいる場合は、全員に聞こえた方が望ましいため、そのような機能はまず不要なのだが。
 そう言えば、安藤はこの機能の利点を自分にしかわからないことであると言っていた気がする。来客を感知すると教育中の女性に安心感を与えるとか謎の事を言っていたが、俺にはその意味がよくわからない。
 他にも、このチャイムのボタンをいろいろな機械に連動させることができるらしい。連動した監視カメラによって、外にいながら自分の家に誰が来たか知る事ができたりするとか、他にも――


 カパッ。


 例えば、不都合な客が訪れた事がわかった場合などに――
「な、ナリーーーーーーー!?」
 ボタンを押した客を飲み込む落とし穴を開くスイッチがあると――
「うわぁぁぁぁぁっ!」
 聞いた覚えがあるし、現に今、足下に開いた謎の穴に俺達は吸い込まれている最中であった。