今日のかるまちゃんSS

 僕の名前はかーずSP。通称かーず。
 製麺の天才だ。声優でもインタビューしてみせらぁ。
 でもオナホだけはかんべんな。


「おっはよう!」
 元気な声が僕の耳に飛び込んできた。今朝もいつものように目が覚める。
 少しつり目気味の、元気そうな女の子の顔が僕の目の前にある。
「やあ、おはよう。かるまちゃん」
 僕がそう返事をすると、かるまちゃん(CV:桃井はるこ)は「今日は早く起きたね」と嬉しそう。
「それじゃあ、ご飯できてるからねー」
 赤いスカートをひらひらとさせながら、くるっと回る。
「あ!」
 思わず声を出した僕に、かるまちゃんは「どうしたの?」と不思議そうな顔。
「あの、えっと……」
 僕はしどろもどろになって「そんなに動いたら見えちゃうよ」と弱々しく口にする。
「もう、おバカ!」
 顔をぽっと赤らめてかるまちゃんはドアの向こうに消えてしまう。やっぱりうかつだったかな?
「早く来てね!」
 ドアの向こうから声が聞こえて、僕は「はいはい」と答えながら朝食を食べようとリビングへ。
「さあ、召し上がれ!」
 かるまちゃんが用意してくれた朝ご飯は、食パンとジャム。かるまちゃんはちょっと料理が苦手で、これも袋から出しただけ。
 でも、用意してくれただけでも僕にとっては嬉しい。にこにこと笑うかるまちゃんに見守られながら、僕はパンを口の中に運ぶ。かるまちゃんは何も食べないで見守ってる。
「ごちそうさま」
 パンを一枚ぺろりと平らげて、そろそろ製麺の準備をしなければ。ちょっと残念そうなかるまちゃんに見守られながら、僕は製麺スーツに着替える。
 着替えてる最中、ふと、部屋の片隅の残骸に目が行った。
 そこにあるのは壊れたパソコン。あの日、かるまちゃんが出てきた時にどかんと壊れたんだっけ。
 かるまちゃんは電子の妖精。本当はネットの中でしか生きられないんだけど、僕のためにパソコンから出てきてくれた。だからご飯も食べられないけど、一緒にいてくれるだけで嬉しい。
 パソコンを見ているとかるまちゃんが悲しそうな顔をしていることに気がついた。やっぱり自分が壊したから、引け目があるのかな。
 それで僕はパソコンから目を離す。あれを処分したり、新しいパソコンを買ったほうがいいのかも知れないけど、なんとなくそれだとかるまちゃんを傷つけるような気がしてなかなか踏ん切りがつかない。
 製麺スーツに着替え終わって、僕はいつものように製麺業に向かう。いってらっしゃいと見送ってくれるかるまちゃんに「戸締まりには気を付けてね」と手を振って、僕は製麺業に向かった。
 今日も、いつも通り。


 彼が部屋を出た。あたしは部屋の中に入って、彼に他の女がいないか証拠を探す。
 彼は優しいから、あたしだけじゃなくて他の女も狙っているかも知れない。優しくて癒し系な彼。彼の魅力に気づく女がいたら、彼は職場でもモテモテになってしまうかも知れない。そんなのは嫌だった。
 でも、やっぱり部屋の中には何もない。彼の物しかない。他の女の物なんてない。
 よかった、彼を愛しているのはあたしだけ。まだ大丈夫。
 そろそろ出ようと思った時、ふと、部屋の片隅の残骸に目が行った。
 彼がいつも夢中だったから、あたしが壊したパソコン。あたしと付き合っているのに、かまってくれないから、つい壊してしまったパソコン。
 それで彼は少し変わってくれた。笑顔が増えた。ちょっとだけ独り言が増えたような気がするけど、あたしは別にかまわない。
 それにしても、彼はいつも誰と話しているのだろう?
 朝、彼の部屋の様子をうかがうと、話し声が聞こえる。彼の声しか聞こえなくて、相手が誰かわからない。だから、こうして部屋の様子を見に来たのに、誰もいなかった。もしいたら、この麺切り包丁で「やめてもらう」つもりだったけど、誰もいなくてよかった。
 もしかしたらいつも彼は誰かに電話しているのかも知れない。今度、携帯を調べておかなきゃ。
 さて、これでオーケー。あたしは部屋を出て、少し小走りに会社に向かう。
「おはよう」
 と、途中で彼を見つけて声をかけた。
「あ……おはよう、製麺たん」
 製麺たんってのはあたしのあだ名。変な名前だけど、同期入社した時に彼が付けてくれたから気に入っている。
「早くしないと遅れるわよ」
「あ、うん」
 彼の手を無理矢理引っ張って、あたしたちは会社に向かう。
 今日も、いつも通り。


 というわけで、なにやらかーずさんがかるまちゃん同人展開を希望だったようなので、ちょっと書いてみました。
 製麺たんについてはこちらを参考にしてください。
 声はゆりしーをイメージしてみました。
 せっかくだし、このようなヤンデレ的な話もいいんじゃないですかね、と無責任なことを言っておきます。こんな感じの絵もあるし。